公正証書の書き方、自分でできる方法

皆様、こんにちは大阪で公正証書などの法務書類にかかわる仕事をしております行政書士の信本です。

本日は、公正証書を自分で作る方法についてお話ししたいと思います。

公正証書は公証役場で公証人が作ります。

自分で作る方法と切り出しておいていきなりですが、公正証書を自分で作ることは厳密にはできません。

行政書士でも弁護士でも司法書士でも公正証書を作ることはできません。

公正証書を作ることができるの公証役場・公証人の先生です。

弁護士等の法律の専門家を通さずに公正証書を作成したい場合には、まず公証役場へコンタクトをとる必要があります。

では、次から公証役場へ電話してみる前に確認しておくとよいことをご紹介していきます。

ポイント1 専門家を通さず公正証書をつくるには公証役場が重要 

公正証書の種類

公正証書を作るにまずは公証役場が重要です。

自分で公正証書を用意しようと思った時にまずするべきことは、公証役場へ電話をし相談する事です。

「すみません、○○の公正証書をつくりたいのですが」と電話する時に重要なのは、あなたが作成したい公正証書の利用方法とできればその中身がだいたい決まっている事です。

あなたが作成したい公正証書によって公証人に伝えるべき情報が変わってきますので次にその内容をみていきましょう。

よく利用されている公正証書について確認していきます。

ポイント2 公証役場へ何を伝えるべきか

遺言公正証書の作り方

あなたが、相続についての対策として公正証書を利用したい場合には遺言公正証書を検討しましょう。

まず初めに公証役場へ電話する際には、「遺言を作りたいのですがどのような手順になりますか。案文も作成してほしいのですが」と伝えると案内してくれるかと思います。

その後、面談予約となり公証人と相談する事になるかと思いますが、その際は遺言内容や遺産をまとめたメモなどを持参しどのような遺言にしたいかを伝えると遺言書の作成が進んでいくかと思います。

遺言は単独行為なので契約と違い相手方はいませんので基本的には、あなたが書きたい内容で遺言書の案文を作成していただけるかと思います。

その際に遺留分や特別受益など制度上の細かい注意点や相続対策としてのポイント等のアドバイスを頂けるかどうかは、担当される公証人の先生によるかと思います。

また、公正証書遺言作成には手続き上、公正証書作成に同席してくれる証人が2名必要ですが、ご自身で証人をお願いできる方を見つけることができない場合は、有料で公証役場で手配していただける場合もあります。

証人は公正証書遺言の作成に同席しますので、遺言の中身をすべて知ってしまいます。内容によっては公証役場へ依頼する方が良いかと思います。

離婚給付契約公正証書の作り方

あなたが離婚について、配偶者との約束を公正証書にしておきたいという場合には離婚給付契約の公正証書を検討しましょう。

まず初めに公証役場へ電話する際には、「離婚についての公正証書を作りたいのですが」とお話しすると良いかと思います。

離婚給付契約公正証書、一般的には離婚協議書という呼び方をされることが多いかと思いますが、この書類の公正証書作成の相談を公証人の先生にお願いする場合には、相手方との話し合いでまとまった内容をメモとして持参しましょう。

未成年のお子様がいる場合は親権者がどちらかや養育費はいつからいつまでいくらをどのようにして支払う、財産分与は、慰謝料はなど話し合って証書内容を決めておきましょう。

公証役場での面談相談の際に、上記の財産分与や不動産について、慰謝料、養育費などの詳細について相談に応じてくれるかは公証人の先生によるかと思いますが、公証人の先生が慰謝料や養育費などについて具体的な額や相場、適正価格などは回答されないのではないかと思いますので相手方との話し合いで決めることができない場合は公証役場で解決することはできず、弁護士にご自身の代理人として相手方と交渉してもらったり、弁護士又はご自身で調停や審判などの裁判所で行う手続きを利用することになるかと思います。

その様な場合は公正証書ではなく離婚調停を経て、裁判所で作成される調停調書を利用するという方法もありますので相手方と話し合いがまとまらない、そもそも話し合いに応じないなどの場合にはまずは、弁護士の先生に相談されると良いでしょう。

任意後見契約公正証書の作り方

あなたが、親や義理の親などの介護を行う場合、行っている場合で、介護を受けている方が認知症になってしまった場合などに備えて成年後見制度の利用を考えている場合は任意後見契約公正証書を検討しましょう。

任意後見契約公正証書は介護を受ける方の意思がしっかりしているうちに、将来自分の意思能力に問題が生じたときの成年後見人を決めてその後見人予定者と契約しておく契約です。

この種類の公正証書作成したい場合は公証人の先生に後見人にどのような事柄につき代理権をもたせるかや後見人の報酬の額などを決めて公証人の先生に伝えましょう。

任意後見の制度を利用して事前に後見人を決めておくには必ず公正証書による契約が必要です。

後見制度自体の注意点やデメリットなどは、公証人の先生ではなく事前に専門家に確認しておく方がよいかと思います。

例えば、任意後見公正証書を作成するとその事につき登記されるということは、公証役場でお教えいただけるかと思いますが、任意後見を発動する際には、必ず後見監督人の選任があることや一度後見制度を利用すると本人の死亡まで続くことなどは自身で注意し、確認しなければ、公証役場で細かく教えてくれるかどうかは絶対ではありませんので事前によく確認しておきましょう。

家族信託などその他の契約書の作り方

民事信託(家族信託)などの信託契約、金銭の貸し借り、不動産の貸し借りなどの契約も公正証書にして作成してもらうことができます。

必ず公正証書にしなければ、効力が生じないものもあります。

作成してもらう必要がある公正証書がご自身で分からない場合は、電話する際に「こういった相手とこういう約束がしたい」と伝えると良いかと思います。

公正証書の作り方まとめ

公正証書を自分でつくるためには

  1. 相手方がいる場合は、相手方も同意する内容をある程度まとめておく
  2. 公証役場へ電話する
  3. 面談日を予約する
  4. 面談で公証人へ必要書類を提出し、公正証書の作成に必要なことを伝え、案文を作成してもらう
  5. 相手方にも確認し同意を得る
  6. 調印日を決め、調印日に公正証書原本に署名押印する
  7. 完成

概ねこの様な流れになります。

公正証書の原案作成を専門家に頼む意味

この様に、ご自身でも作成を進めていく事が可能な公正証書(私文書によるものも同じくですが)なぜ、我々に依頼していただけるのかというところはこちらの記事公正証書は自分でつくれる?専門家に頼む意味は?にもかかせていただいたのですが、私たちはお客様の目的をお聞きしそれを達成するための手段として公正証書の作成を利用します。

私たちの仕事において、公正証書作成の手続き自体よりも、重要な点は、お客様の目的やなぜそれをしたいのかお聞きする、それには何に備えることが必要で、どのような取り決めが必要かを検討し、それをお伝えし構築していく事を仕事として行っており、お客様の目的達成のために公正証書の力(証明力、執行力、安全性等)が必要な場合、その原案を作成し公証役場とやりとりを行い公正証書を完成させます。

また、お忙しい方の場合は、必要書類を集め公証役場と打合せを行う、調印を代理する、調印当日公証役場へエスコートするというサポートでスムーズに公証役場で公正証書が出来上がるように手配しますのでご自身で行う事を最小限にできるというメリットもあるかと思います。

ご自身でやりたい事や備えておきたい事、達成したい目的、相手にまもって欲しい約束がある、ではどんな方法が?というときはお声掛けいただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。