離婚と子供、親の離婚が子に与える法的な影響は

親の離婚が子に与える法的影響

子どもがいる夫婦が離婚した場合、子供が精神的に影響を受ける場合があります、そのことも考えるべき大切な問題ですが、こちらの記事では親の離婚が子供にあたえる法的影響についてみていきたいと思います。子供が成人している場合よりも未成年の場合に与える影響の方が大きいかと思いますのでそちらを中心に解説していきます。

親の離婚と子供の親権

親が離婚する場合、婚姻中に共同でになっていた親権を離婚後にどちらが持つか決めておく必要があります。(離婚後も共同親権とすることなども議論されていますが現在はどちらかが親権を担う必要があります)

親権をどちらに定めるかについては離婚届けにも記載欄がありますので、離婚に関する財産分与や慰謝料などの事項と違い、親権者は決めておかなければ離婚できません。

では親権とはどのようなものでしょうか。

親権の構成 親権=身上監護権+財産管理権+法定代理人の立場
親権の構成は上記のとおりです。
親権 ≠ 親 ですので親権を持っているものだけが親であるという訳ではありません。
たとえば扶養義務は親権には含まれていないので親権を持っていない親も子供の養育費を支払う必要があります。

離婚と子供の養育費

養育費は子どものための権利です。

そこには、子供を引き取った親の生活保障的な意味合いはありません。

養育費とされるものは子どものための下記の費用です。

○衣食住の経費 ○教育費 ○医療費 ○娯楽費 ○お小遣い等

○交通費 ○その他(ベビーシッター費用等)

養育費は、月々支払われる事が通常で一括払いなどは特殊なケースになり、一括払いの養育費は贈与税などにも注意する必要があります。
また養育費を月々相手の口座から引き落としにする方法などもありますが、それには相手側に銀行の手続きを行ってもらう必要があります。
養育費に関しては未払いが大きな問題になっており、未払いを解消するための案が様々自治体でも議論されています。
母子家庭の貧困対策として養育費算定表の見直しも開始される予定です。

離婚と子供の戸籍の問題

親が離婚した場合を考えると、戸主を男性とすると戸主である男性の戸籍へ入籍していた女性が離婚により抜ける事になりますので、父親と母親は別の戸籍になります。

すると子供は、もともといた戸籍に残ることになります、この場合ですと父親側の戸籍へ残ることになります。

離婚後、何も手続きしない場合、子どもは筆頭者(ここでは父)の戸籍にそのまま残ったままになります。

子どもを親権者(母)の新しい戸籍に移動させたい場合には家庭裁判所で子の氏の変更許可を受ける必要があります。

苗字の違うものは同じ戸籍には入れないためです。

母親が旧姓に戻っている場合はもちろん、婚氏を継続して婚姻中、つまり子どもと同じ苗字であってもこの許可は必要になります。

たとえば子どもが未來太郎、母親が未來花子であったとして母親の未來という苗字は離婚後新しくできたものなので子の苗字の未來とは別物になります。

裁判所の許可を得た後、市役所で母親の戸籍に入籍させる手続きを行い

親権者である母親と子どもが同じ戸籍に入ります。

離婚と子供の面会交流

親が離婚すると子供はどちらか一方に親と一緒に暮らすことになります。

一緒に暮らしていない親と面会方法などを定めるのが面会交流の取り決めになります。

面会交流とは、両親の離婚により父または母と別居状態になっている子と別居中の親が会う事、交流する事に関しての取り決めです。

養育費の支払いがないなら子どもには会わせないという話も聞きますが、本来は別個の事項です。

○○歳になるまでは親権者と同伴や、学校行事は?メールやLINEによる交流はなどと決めておくことができます。

親権者を母にした場合の子供のための手続き

親権者を母とし、母親の戸籍に子を入れたい場合には下記の手続きが必要です。

市役所にて

まず離婚の際に市役所にて、元夫の戸籍から抜けることになる母親は自分を戸主として新しい戸籍をつくるか一つ前の戸籍に戻るかを決めることになります。

子供を自分と同じ戸籍に入れたい場合は新しい戸籍をつくりましょう。

子供の苗字を変えたくない場合などは婚氏続称の手続きを行います。

家庭裁判所にて

次に子供の氏を変更する申立てを家庭裁判所にて行います。

たとえ婚氏続称で子どもと同じ苗字たとえば、母親も子供も高橋の場合でも、子の高橋と母親の高橋は別のものなのでこの手続きが必要です。

この手続きを得て、子と母が同じ姓にならなければ同じ戸籍には入れません

再び市役所にて

そして最後に市役所にて子供が母の戸籍に入る入籍に手続きをして完了となります。

まとめ 離婚に際して精神的だけだはなく、離婚後も子供が幸せに生活していけるように法的な影響も考えていきましょう