お金の貸し借り、公正証書・金銭消費貸借ってなに?

お金の貸し借り 公正証書

金銭消費貸借ってなに?

みなさまいつもありがとうござます。
公正証書作成の大阪吹田の江坂みらい法務事務所の信本です。
今回は、公正証書の作成業務でも、最近多くなってきている所謂消費貸借契約についてお話したいと思います。

消費貸借契約は、金銭その他のものを借りてその借りたものを使ったのち使ったものと同じ種類で同じ価値のもを同じだけ返すという契約です。
その中でも、借りるものお金の場合は金銭消費貸借契約とよばれます。

300万円借りた場合には、同じ種類=お金、同じ価値=300万円の価値、同量=300万円を返すという契約が金銭消費貸借契約です。
他にも色々要物契約などの特徴がありますが、単純にお金の貸し借りに関する契約と考えていただければ良いと思います。

金利について

同じ価値、同量のものを返還するという事ですが金銭消費貸借契約には金利を付けることができます。
金利、つまり利息または遅延阻害金の利率については当事者同士が定めていない場合は法定利率となります。
個人間の貸し借りの場合の法定利率は年5分です。

担保について

金銭諸費貸借契約にはその履行を確保(ちゃんと返してもらえるように)担保を付ける事もできます。
担保には人的担保(債務引き受け・履行引き受け・保証)と物的担保(抵当権、質権、譲渡担保、仮登記担保)などがあります。

保証は担保としては保証人の信用といいますか資力に依存していますので物的担保よりは劣るの通常です、しかし一般的な金銭の貸し借りの場合には利用されることが多い制度です。
保証の契約は書面でしなければその効力を生じません。保証を行うと保証人は主たる債務者(お金を借りた人)と同一内容の債務を負う事になりますので、債権者は主たる債務者がお金を返さない場合には保証人に返すように請求することができます。

よく怖いって聞く連帯保証って?

債権者が保証人にお金を返すように言った時に、まず主たる債務者に請求してくれ、まず主たる債務者の財産から取ってくれという事ができますが、連帯保証は言えません。
これが連帯保証は怖いと言われる所以です。
公正証書作成で人的補償を設定する場合には連帯保証とする扱いが多いかと思います。

物的担保

物的担保はもので保証します。
住宅ローンなどを組んだことがある方は抵当権という言葉を聞いた事があるかと思います。
また街には質屋なるものありますね。
このあたりが物的担保です。

抵当権と質権の違い

どちらも借りたお金の返済を物で保証するのですが、大きな違いは抵当権は設定してもそのものは借りた人が持っています。抵当権が設定された家であっても住んでいるのはお金を借りた人、住宅ローンを組んだ人です。
質権の場合はそのものは、債権者がもっています。
質屋はモノと引き換えにお金をかします。
抵当権と質権にはこのような違いがあります。

おまけ 連帯保証文例

○○○○は、甲(債権者)に対し乙(債務者)の債務を保証し、乙と連帯して支払の責めに任ずる旨薬師、甲はこれを承諾した。

まとめ

約束する事自他は簡単な様な気がするお金の貸し借りですがそれを書面、公正証書にしようと思うと一苦労です。
またここまでしたところで前回の記事のように絶対に返してもらえるわけではありません。

個人間の貸し借り、特に今後高齢者同士のお金の貸し借りのトラブルは増えるのではないかと危惧しておりますが、借りる場合も貸す場合も実行の前にくれぐれも良く検討してくださいね。

それでは最後までお読みいただきありがとうございました。